底地の問題点2:売却が困難
底地を売却し現金化したいと思っても、買い手は、借地人もしくは底地買取専門の不動産業者くらいに限られます。
それ以外の第三者が底地を購入することは、まずないでしょう。
底地は借地人が住んでいるので、その土地を自由に利用できない上に、地代も安いため十分な収益を得ることができない現実があります。そのような底地を買い取っても不良資産を背負い込んでしまうことになるため、需要がない上に買い取るメリットがありません。
結果、底地の市場は借地人もしくは転売目的の底地買取業者のどちらかという非常に狭いものになっています。
業者が底地を買い取るときの相場は、だいたい更地価格の10%~15%程度だと言われています。相続時の底地の評価割合が、都内の住宅地では、更地価格の40%程度だということを考えると、業者売却時の金額がいかに安いかが判断できます。
例)更地価格1億円で借地権割合D(0.6)の場合
所有権を有している更地だった場合の価格 | 1億円 |
相続税、贈与税評価時(財産評価基準による評価) | 4,000万円 |
業者へ販売する場合の価格 | 1,000万円~1,500万円 |
需要も収益性もない底地を第三者に売却すると非常に安い金額で買い叩かれてしまうのです。
借地人に売却すれば、業者に売却するよりは高い売却価格が見込まれますが、借地人がいつ底地を買うことになるのかという予測を立てるのは難しく、売りたいときに売れないという状況が生まれ、処分が困難です。
底地の悩み問題 解決方法
A:借地の明渡しを要求する
地代を滞納されている。勝手に建て替えされてしまった地主さんにおすすめです。
B:借地人に地代の値上げを交渉する
相場より地代が安くて悩んでいる。土地を手放したくない。地代収入を増やしたいとお考えの地主さんにおすすめです。
C:借地人から借地権を買い取る
借地人が転居を考えている。借地人が建て替えを考えている。借地権を買い取る余裕資金がある地主さんにおすすめです。
D:底地と借地権を交換する
貸宅地の敷地面積が比較的大きい。借地人が建て替えを検討している地主さんにおすすめです。
E:借地人に底地を売却する
底地を換金化したい。借地人と交渉ができる関係。将来の相続を視野に入れて底地を手放したいと考えている地主さんにおすすめです。
F:底地と借地権の共同で売却する
借地人が転居を考えている。借地人が建て替えを考えている。借地人と交渉ができる関係の地主さんにおすすめです。
Z:底地を業者に売却する
借地人との交渉が面倒くさい。出来るだけ早く売却したいと考えている。底地を多く所有していて借地人の数が多い地主さんにおすすめです。